・資格試験のための勉強をしたいけど忙しい……。
・勉強に時間をかけているのになかなか成果が上がらない……。
・さっさと勉強を終わらせて趣味に時間を使いたい!
そんな悩みを持つ社会人は多くいらっしゃると思います。
社会人が勉強する上で最も大きな課題となるのは、勉強時間の確保ではないでしょうか。
私も社会人になってから資格のための勉強を初め、TOEIC800点以上、QC検定やFPなどの資格取得に励んできました。その経験から、忙しい日々でも成果を出すための効率的な勉強法の重要性を実感しています。
この記事を読むことで、少ない勉強時間で大きな成果を得られるようになります。余った時間で、他の勉強をするのも良いですし、趣味や遊びに時間を使うのも良いでしょう。
一つでも自分に合いそうな情報があれば、ぜひ実践してもらえたらと思います。それではまいりましょう!
効率を高めることがなぜ重要なのか
勉強の成果は「勉強の質 × 勉強時間」で決まります。社会人は仕事や人付き合い、家庭などで時間を確保しにくいことが多いです。
だからこそ、限られた時間の中で効率よく勉強する方法を学ぶことは非常に重要です。
効率よく勉強する方法は、アウトプットを意識した「アクティブラーニング」!
初めに結論を述べます。効率よく勉強するための最も大事なポイントは、アウトプットを中心にしたアクティブラーニングを実践することです。
アクティブラーニングとは、自らの頭で能動的に考えることです。授業を聞きながらノートを取るような受け身の学習ではありません。学校で行っていたような学習ではなく、進んで頭を使いながら学ぶ姿勢が重要になります。
アクティブラーニングの2つのポイント、「アクティブリコール」と「再言語化」
アクティブラーニング化する際のポイントは大きく2つに分かれます。1つ目は、能動的に思い出すこと、これは「アクティブリコール」と呼ばれます。
2つ目は、学んだことを自分の言葉に置き換えること、これは再言語化と呼ばれるものです。
アクティブリコールでは、インプットした内容から必要な情報を検索して思い出すことで学習効率を高めます。人間の脳が最も活性化し、情報を記憶する際には、「思い出す」という行為が非常に重要です。
もう一つが「再言語化」と呼ばれるもので、学んだことを自分の言葉で表現し直すことを指します。たとえば、学んだ内容を他人に説明するつもりで考えると良いでしょう。
もし難しい内容に直面したら、「中学生にも分かるように言い換えたらどうなるか?」と考えるのがポイントになります。
それでは、アクティブリコールと再言語化を使いこなすための具体的なテクニックについて詳しく見ていきます。
アクティブリコールによる勉強法
テスト化
覚えたい情報をテスト形式にする方法は効果的です。具体的には、単語カードや問題集がその代表例です。
テスト化のシンプルなやり方としては、「テキストを1ページ読んだら、閉じて、読んだ内容に何が書いてあったのかを思い出す」という方法があります。
文章にすると簡単そうに感じるかもしれませんが、実際にやってみると意外と難しいものです。はじめは1ページ単位で取り組みましょう。慣れてきたら1つの見出し単位などで量を増やしていくと良いでしょう。
また、まとめのノートを作る際にテスト化を応用することも可能です。ノートの半分に縦に線を引き、二つに分けて片方に問題、もう片方に答えを書きます。復習をするときに、答えの部分を隠してテストしてみましょう。

テスト化することで、ただテキストの内容を写し取るよりも記憶に残りやすくなります。
分散学習
次に紹介するテクニックは分散学習です。これは、復習のタイミングを少しずつ間隔を空けて行う方法です。
人間の脳は、取り入れた情報をすぐに完全に記憶するわけではありません。脳内で記憶がネットワークとして定着するには時間が必要です。
忘れかけたころに再学習することで、「思い出すということは、これは重要な情報だな」と脳が認識します。そして、記憶が強化される仕組みを利用します。
具体的な復習のタイミング例として、私は以下のようなタイミングでやっていました。
1回目:1日後、2回目:1週間後、3回目:2週間後、4回目:1か月後です。
個人の記憶力や得意・不得意分野によって適切なタイミングは変わります。
このスケジュールを基本に調整してみると良いでしょう。特に英単語の暗記など、反復が求められる学習に活用してみてください。
再言語化
教えるつもり勉強法
学んだことを、誰かに教えるつもりで勉強する方法は効果的です。実際に他人に教えたことがある方なら、説明を通じて理解度が深まる経験をされたことがあるかもしれません。
教えるためには、自分自身が内容を十分に理解し、整理できている必要があります。
さらに、実際に教えなくても、「教えるつもり」で学ぶだけでも効果が得られます。2014年にワシントン大学で行われた実験があります。
「この後、他の学生に教えなければならない」と思いながら学習したグループの方が、「この後テストがある」と考えて学習したグループよりも、内容を正確に思い出す確率が28%高いという結果が出ています。
特におすすめなのが、「中学生に教えるつもり」で勉強する方法です。中学生向けに説明するには難しい表現を避ける必要があります。
わかりやすく説明する必要があるため、自分の中で内容をより整理する必要が出てきます。
比喩表現を考える
比喩を用いて学んだ内容を分かりやすくする方法も再言語化の有効な手段です。比喩表現を使うことで、抽象的な概念を具体的で親しみやすい形に置き換えることができます。そして、記憶にも残りやすくなります。
たとえば、電気回路を考えたとき、並列回路であればどちらにもかかる電圧は同じになりますが、
それを川の流れに例えると次のように説明できます。
「電流は川の流量で、電圧は水の落差。川を二つに分けても、水の落差はどちらの川も同じ。だから並列回路の電圧は、どちらも同じになる。」
このように比喩を考えることで、複雑な概念が身近に感じられます。
効率よく勉強するコツ
これまで効率的な勉強方法について解説してきましたが、ここでは効率的に学ぶために役立つ準備や知識を紹介します。
これらのコツとアクティブラーニングを組み合わせることで、さらに効果的に勉強を進めることができるようになります。
計画を立てる
ゴールから逆算して計画を立てることの重要性は言うまでもありません。
私のおすすめは、勉強の内容を細かく分けたうえで、最低限やるべきタスクを決めることです。
最低限の内容は、できるだけ簡単なタスクにしておきましょう。
例えば、数学の勉強の計画を立てる時には、「問題を1問解く」といったように、5分程度で終わるタスクを最初に計画に組み込みましょう。
短時間で終わるタスクであれば、取り掛かりやすくなります。達成感も得やすくなり、これがさらにモチベーションにつながります。
そして、次のタスクへの良い循環が生まれます。
時間帯別で有効な勉強をする
時間帯に応じて適切な学習内容を選ぶことで、勉強効率を高めることができます。例えば、夜には暗記科目を中心に勉強しましょう。朝には論理性や思考力を求められる内容を学ぶようにしましょう。それぞれの時間帯の特性に合わせた学習内容を選ぶことで、脳の働きを最大限に活用できます。
休憩をはさむ
勉強の中に適度な休憩を取り入れることは非常に大切です。例えば、30分ごとに5分の休憩を挟むと集中力が保ちやすくなります。休憩中は、深呼吸をしたり、軽い運動をしたりするのも良いリフレッシュ方法です。短い休憩を挟むことで、効率的な学習時間を継続できるようになります。
理想の自分をイメージする
自分が達成したい目標を具体的にイメージすることも大切です。例えば、「資格を取得してキャリアアップしている自分」を想像してみましょう。「語学力を活かして海外旅行を楽しむ自分」といった具体的な姿を描くと、勉強へのモチベーションが高まります。
集中力が切れた時の対処法
頭を使う勉強では、どうしても集中力が切れる時があります。ここでは、集中力が途切れた時の処方箋として3つの方法を紹介します。
運動をする
運動をすることで、集中力の改善がされます。
ある研究では20分の軽い運動をすると、認知力や集中力の向上が3~4時間続いたというものがあります。
運動による脳の血流改善がリフレッシュに役立つためです。
軽い運動も良いですが、激しい運動にも効果があります。
マギル大学の研究では、エアロバイクで15分のスプリントを行った被験者の認知タスクの成績が大幅に向上した結果が示されています。
勉強後に5分歩くことで、記憶力テストの結果が上がったなどの報告もあり、勉強の効率アップと運動には密接な関係があることは明らかです。
自分に合った運動を取り入れ、リフレッシュしましょう。私は勉強の合間や勉強後には、散歩をすることにしています。
深呼吸をする
深呼吸も集中力を回復させる有効な方法です。特に「息を吸う時間よりも息を吐く時間を長くする」のがポイントです。
これは、息を吐くことでリラックス効果が得られるためです。
私がやっているのは、4秒息を吸って、8秒かけて吐くというリズムを5回繰り返すというものです。
目を閉じて視覚情報を遮断しながら行うと、さらにリラックス効果が高まります。
やってはいけないことリスト
勉強中に避けるべきことを知っておくと、効率的な学習につながります。
勉強中に歌詞のある音楽を聴く
好きな曲を聴いてテンションを上げながら勉強するのは一見良さそうに思えます。しかし、勉強中には歌詞のある曲は控えるのがおすすめです。歌詞やメロディーを認識しようとすることで、脳が勉強の集中から離れてしまうためです。自然音や無音環境を活用するのが良いでしょう。
教科書中心の勉強をする
教科書中心の勉強はインプットに偏りがちです。適切な問題集がない場合でも、アクティブリコールの「テスト化」を活用することで、アウトプットを意識した学習方法を取り入れることが可能です。
休憩中にスマホを見る
休憩中にスマホを確認する際は、「これだけやる」と決めて行動しましょう。SNSを何となく見てしまい、気づけば1時間経過していたということが起きないようにするのが大切です。
まとめ
忙しい社会人にとって、限られた時間を活用して効率的に勉強することは重要な課題です。本記事では、科学的に効果がある、実践的な勉強法について解説しました。
特に「アクティブラーニング」を活用した能動的な学習方法に焦点を当てました。アクティブリコールや再言語化を取り入れることで、効率よく記憶を定着させ、理解を深めることが可能です。また、時間帯別の勉強や休憩の取り方、集中力が切れた際の対処法といった具体的なコツも紹介しました。
効率的な勉強を身につければ、短時間で成果を上げることができ、余った時間を趣味や家族の時間に充てることができます。これにより、忙しい日々の中でも充実した生活を送ることが可能になります。
少しでも役立ちそうな内容があれば、ぜひ今日から取り入れてみてください。自分に合った勉強法を見つけて、目標達成に向けて進んでいきましょう!
コメント